実は前々から図書館で目にしては
いたんだけど、森博嗣さんにしては
表紙がポップだなぁと思ってちょっと
敬遠してた作品をとうとう今回
手に取って読んでみた。

うーん、確かにぱっと見、森博嗣さんにしては
変わった雰囲気。
一部のキャラの一人称の文章とかも今まで私が読んだ
作品にはなかった軽いテンポなんだけど、森さんの作品に多い
各キャラクターの哲学的な考えがあんまり現れない。
いや、哲学的文章は出てくるんだけど、それが誰の物なのか
分からないように書かれている点が変わってるのか。
カップラーメンを食べる助手とか、パチンコする教授とか、
何気ない生活の中でそのキャラの個性や考え方をさりげなく
提示してくるのは上手いなーと思う。

思いっきりひっかけにひっかかり、更に今回はトリックに
気付いてから最初から読み直しても物語に疑問が浮かぶ部分がなく
「ああ、そういうことだったのか!」と綺麗に納得できたので
個人的には非常に満足。殺人事件に相応しくないほど作中の
雰囲気が軽いテンポでぽんぽんと進んで行くのも気持ちいい。
あと、とてもポップな絵も凄く素敵。各キャラの章でキャラの
ミニイラストが出てくるのがいい感じ。
今作品では基本的にキャラのあだ名が各章のタイトルになってるので
ミニイラストはあだ名とキャラを結びつけるのに分かりやすかった。

生と死の境目、錆びた剃刀、生まれた時から泣いている。
SMシリーズやVシリーズの文庫版おまけしおりに書かれた詩のような
森博嗣ワールドの素敵な文章がたくさん。
森さんの根底にあることは「すべてがFになる」からずっと
変わっていないのかなぁ。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索